かわいいおしりがチャームポイントの犬種であるウェルシュ・コーギー・ペンブローク(コーギー)。お迎えを考えている人は飼いやすさが気になるところですが、性格について「甘えん坊で人懐っこい」という声もあれば、「かなり吠える」という声もあり、何が本当かわからないですよね。
この記事ではドッグトレーナー監修のもと、コーギーの性格、ウェルシュ・コーギー・カーディガンとの違い、飼い方などを解説します。ぜひ最後までご覧ください。
※本記事では「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」を「コーギー」として紹介します
かわいいおしりがチャームポイントの犬種であるウェルシュ・コーギー・ペンブローク(コーギー)。お迎えを考えている人は飼いやすさが気になるところですが、性格について「甘えん坊で人懐っこい」という声もあれば、「かなり吠える」という声もあり、何が本当かわからないですよね。
この記事ではドッグトレーナー監修のもと、コーギーの性格、ウェルシュ・コーギー・カーディガンとの違い、飼い方などを解説します。ぜひ最後までご覧ください。
※本記事では「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」を「コーギー」として紹介します
監修者
麻布大学獣医学部動物応用科学科卒業。人と犬が互いに幸せに暮らす社会を目指し、犬の正しい知識や飼い方を広めるため、ドッグトレーナーの道へ。犬のしつけ方教室スタディ・ドッグ・スクールに所属し、毎週末行なうレッスンには多くの飼い主と犬たちが集まる。預かりや訪問など様々なしつけ/指導を行なう中、動物系専門学校の講師も務める。
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目次
コーギーはかわいらしい見た目に反して、とても勇敢で活発な性格です。それは牧羊犬として、牛の群れなどを統率していた仕事をしていたことからも分かります。ペットとして飼われている現代においても、活発な性格や周りの動きに敏感であるという特徴はなくなっていません。
また、人と一緒に仕事をこなす賢さを持っており、物事をすぐに理解して覚えてくれます。その頭の良さゆえに、吠えやすくなって飼い主を困らせてしまうことが少なくありません。そんなコーギーの性格について詳しく解説します。
おもちゃを使った遊びなどを通して、欲求不満にならないようにしてあげましょう。
また、子犬の頃からさまざまなものに慣らす社会化トレーニングをすることが、互いに楽しく暮らすために必須になります。
犬の性格を調査したC-barq(シーバーク)という研究において、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークは人に対する攻撃性や恐怖心が少ないという結果が出ています。初めて会う人にも比較的フレンドリーに接することが多いと言えます。
「非社会的恐怖」のスコアが低いことも特徴です。当然ある程度のトレーニングは必要になりますが、大きな音を出す機械や、巨大なトラックなどに出会っても怖がりづらい性格と言えるでしょう。
怖い気持ちが原因で人に噛み付いてしまう事例が多いので注意しましょう。特に病院での注射やお手入れなど犬が嫌がりやすいものに関しては、ごほうびをたくさんあげながら慣らしてあげましょう。
また、コーギーは「分離不安」「愛着行動」のスコアも低い犬種です。これは飼い主や同居犬から離れたときに不安を覚えるか、飼い主に注目されたいという欲求があるかという項目で、コーギーには独立心があることがわかります。
しかし、人に触られることを嫌がる「接触過敏性」が高いわけではありません。飼い主との触れ合いは決して嫌がらず、信頼関係を築ければべったりと甘える一面も見られるでしょう。
分離不安の傾向が強い犬と比べて留守番のストレスは少ないと言えますが、いきなり長時間一人にするのはNGです。短い時間から徐々に練習して慣れされてください。
ただ、人とコミュニケーションを取ることやトレーニングが好きな性格で、様々なトリックを覚えたりドッグスポーツしたりと、飼い主と一緒にアクティビティを楽しむことができる犬種だと思います。
コーギーは人や慣れない環境をあまり怖がらない一方で、犬に対して吠えやすい傾向があります。見知らぬ犬に対して警戒心から吠えることや、犬の素早い動きに対して追いかけていくことが多いでしょう。
そのため、多頭飼いには十分注意が必要です。性格にもよりますが、同居する犬を噛んでしまわないように、時間をかけて慣らすことが必須になります。
また、人やもの・音などに全く吠えないわけではありません。恐怖を感じていなくても、嫌いなものや自分のテリトリーに入ってきたものに対して吠えやすい犬種です。自分のハウスを教えて管理したり、さまざまものに馴らすトレーニングをしたりと、対策が必要です。
また、縄張り意識からインターホンの音に吠える犬も多い印象です。
コーギーには「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」と「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」の2種類があります。日本で飼育されているのはほとんどがペンブロークです。
コーギーの基本的な情報や歴史、ペンブロークとカーディガンの違いについて解説します。
コーギーはイギリスで生まれた犬種で、農場で使役犬として活躍していました。昼は牧羊犬として家畜を追いかけ、夜は番犬として使われていたと言われています。
イギリスのエリザベス女王の愛犬としても有名です。
コーギーの体重は成犬で8〜11kgほど、体高は20〜30cmほどです。メスのほうがやや小さい傾向があります。
しっかりと体重・パワーがある中型犬なので、マンションでは飼育の許可が降りないケースもあるでしょう。また、小さな子供や、大人でも力に自信がない方が扱うのは難しい場合があります。
このためか、近年は日本では飼育されるコーギーが減少傾向にあり、2022年の登録数は20年前の15%ほどまで減っています(※1)。
■コーギーの登録数
年 | 頭数 | 順位 |
2002年 | 30,940頭 | 3位 |
2012年 | 6,267頭 | 13位 |
2022年 | 4,419頭 | 14位 |
中型犬を飼えない集合住宅に住む方が増えたほか、共働き家庭が増えた事で犬にかけられる時間が減少し、大きな犬より飼育管理が比較的しやすい小型犬を選ぶ家庭が増えたことも考えられます。
ジャパンケネルクラブ(JKC)に認定されている公式の毛色は、以下の4種類です。
■コーギーの毛色
レッド
赤茶×白、最もメジャーなカラー
セーブル
黒が混ざった茶×白
フォーン
薄茶×白、全身真っ白に近いケースもある
ブラック&タン
黒×白×茶、まろ眉があり「トライカラー」とも呼ばれる
レッドが最も多いカラーで、どの色も基本的に顔・脚・胸などに白斑が存在します。フォーンやブラック&タンは日本では珍しいカラーで、特にフォーンの場合は茶色がとても薄く全身が白いコーギーのように見えるという希少なケースもあります。
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークとウェルシュ・コーギー・カーディガンは、団体によっては同一犬種として認定されていた歴史があります。容姿もとても似ており、2犬種で性格に大きな差があるとは言えません。
しかし、カーディガンのほうがやや体が大きく、毛色のバリエーションが豊富という特徴があります。
かなり少ない数ですが、これまで見た印象としては、カーディガンの方が動きが落ちついており吠えにくく、やや警戒心が強いイメージがあります。ペンブロークの方がなつっこく動きが多い、吠えやすいと思います。
コーギーといえば丸いおしりですが、実はこれはしっぽを切断する「断尾」によるものです。諸説ありますが「牧羊犬の仕事をする際に危険がないように」「しっぽがある犬は課税されるから」「衛生的に保つため」などの理由で断尾が行われてきました。近年はその必要性がないとされ、動物愛護の観点のほか、傷口からの感染予防やしっぽで感情を確認するという意図から、断尾をしないケースが増えています。
ブリーダーの方針などによって異なるので、気になる方はお迎え前にしっぽの状態を確認しておきましょう。
病気や怪我の予防のための実施には理由がありますが、一般に家庭犬として飼われる犬にとっては不要だと考えられます。
コーギーの飼育のポイントは「運動・体重管理・抜け毛対策」です。活発な牧羊犬である一方、太りやすい面もあるので、運動させる時間をたっぷり取るようにしましょう。
抜け毛が多いので、毛のお手入れ・掃除も必須です。以下で詳しく解説します。
牧羊犬であったコーギーは運動が大好きなので、運動をさせないと大きなストレスにつながります。1日2回程度の散歩はもちろん、家の中でももってこい遊びや引っ張りっこをして十分に遊んでください。
共働きで忙しく、毎日散歩に行けない、遊ぶ時間を取れないという家庭にはあまり向いていないと言えます。
コーギーは肥満になってしまうことが多く、飼う上で食事の管理はとても大切です。愛犬に合ったドッグフードを適正量与えることはもちろん、見た目と触れた状態から肥満具合を評価する、ボディコンディションスコア(BCS)(※1)のチェックも定期的に行いましょう。
なお、以下ではコーギーにおすすめのドッグフードやダイエット方法を紹介しているのでぜひ参考にしてくださいね。
適正量の食事を与えること、人の食事を与えないことはもちろんですが、BCSをこまめにチェックしてあげることが大切です。また、運動不足から肥満になることも多いので、十分に注意しましょう。
コーギーは他の犬に対する警戒心が強く、牧羊犬や番犬として活躍していた歴史もあるので吠えやすい犬種と言えます。しつけがしやすい子犬の頃からたくさん外に出て、いろいろな人・犬と関わり、慣れさせるようにしましょう。
他の犬に吠えてしまう場合は、おやつを使って気を逸らしながら徐々に距離を詰めていくという方法が効果的です。インターホンに吠えてしまう場合は、練習として「飼い主がインターホンを鳴らす→おやつをあげる」ということを繰り返しましょう。
以下の記事ではしつけの方法を詳しく紹介しているので、これから子犬を迎える方や吠えに悩んでいる方はぜひお読みください。
コーギーの毛は二重に生えて密集した「ダブルコート」なので、特に換毛期は大量の抜け毛が出ます。
皮膚・被毛の健康を保つためにこまめなブラッシングは欠かせません。部屋の掃除も頻繁にする必要があるでしょう。
コーギーサイズが用意されているものを選ぶのがおすすめです。
ペットショップポータルサイトの「petmi」によると、2023年7月におけるコーギーの平均価格は306,353円です。
同じ中型犬のビーグル(約22万円)、柴犬(約19万円)と比べると少し高い価格で、取り扱い頭数も169件少なめ。人気で頭数が多い犬種と比較すると、やや手に入りづらい犬種と言えるでしょう。
大手ペットショップにおけるウェルシュ・コーギー・ペンブロークの取り扱い頭数と平均価格は以下のとおりです(2023年8月9日時点)。
全体的に頭数が少なく、ペッツファーストの取り扱いは0頭でした。「ドッグヒル」などのブリーダーもあるので、ブリーダーからのお迎えも検討すると良いでしょう。
なお、ウェルシュ・コーギー・カーディガンはいずれのペットショップでもヒットしませんでした。
■大手ペットショップにおけるコーギーの頭数・平均価格
ペットショップ | 取り扱い頭数 | 平均価格 |
ペッツファースト | 0頭 | ー |
ペットショップ のコジマ | 9頭 | 約288,689円 |
ペッツワン | 10頭 | 約303,013円 |
Coo&RIKU | 56頭 | 約220,000円 |
「petmi」で毛色別の頭数・平均価格を調査したところ、以下のとおりでした。
毛色の名称・分類は独自のものですが、「フォーンホワイト」が特に少ないカラーであることがわかります。いわゆる「白いコーギー」はとても珍しく、価格も高くなりやすいでしょう。
■コーギーの毛色別の価格
毛色 | 取り扱い頭数 | 平均価格 |
セーブル×ホワイト | 47頭 | 約289,142円 |
フォーン×ホワイト | 2頭 | 約40,5000円 |
ブラックタン×ホワイト | 10頭 | 約321,785円 |
レッド×ホワイト | 88頭 | 約313,537円 |
里親募集サイトでコーギーを検索したところ、募集中の子は0頭でした。
前述のとおり、コーギーはペットショップでも取り扱いが少なくなっているため、コーギーに絞って保護犬の譲渡を探すのはとても難しいと考えられます。
アニコム損害保険株式会社の調査によると、コーギーが他の犬種に比べて最もなりやすいのは「その他のリンパ組織/造血組織の腫瘍」です。11歳が最も発症率が高いというデータが出ています。
3番目になりやすい病気である「変形性脊椎症」は、下半身の麻痺が起こり、寝たきりになったり車椅子が必要になったりする場合も。こちらは10歳での発症が最も多く、シニアはこれらの病気に特に注意が必要です。
2番目になりやすい病気は「前立腺肥大」で、これは若いコーギーにも見られます(※3)。〜12歳の年間治療費は78,841円と、全体の70,683円に比べてやや高いというデータが出ているので、治療費は十分に備えておきましょう(※4)。
なお、コーギーの平均寿命は12.5歳(※5)であり、他の犬種に比べると長生きしやすいとは言えない犬種です。
また、無理な姿勢の抱っこをしないことや、首や腰を傷めないようにジャンプ・飛び降りなどの負担が大きい動きに気をつけることが大切です。
近年はミックス犬が非常に人気です。コーギーのミックス犬には、以下のようなものがいます。
■コーギーのミックス犬の一例
名前 | 親犬 |
シバーギー | コーギー × 柴犬 |
ドーギー (コギックス) | コーギー × ダックスフンド |
ポメコギ | コーギー × ポメラニアン |
コギプー | コーギー × トイプードル |
チワギー (チワコーギー) | コーギー × チワワ |
ペギコーギー | コーギー × ペキニーズ |
マルコーギー | コーギー × マルチーズ |
「ワンラブ」で各種類の頭数を確認したところ、いずれも全くヒットしない、もしくは1〜3頭しかいないという結果でした。コーギーのミックス犬は珍しく、なかなか出会えないことが多いでしょう。
個性的で唯一無二の見た目を持つミックス犬ですが、成長後の大きさ・見た目や性格の傾向が読めないという点は理解したうえでお迎えするようにしましょう。
一般的にミックス犬は、成長後の大きさや容姿などが予想しづらいものです。特に、小型犬と中型犬のかけ合わせでは、小型犬同士のかけ合わせよりもばらつきが出やすいことが考えられます。
犬を飼う上で正しいサイズの道具を揃えづらいことがあるほか、行動の特徴やかかりやすい病気などを予想することも難しいです。
コーギーは、とても勇敢で人やものを怖がりにくい傾向がある犬種です。独立心がありながらも、初めて会う人とも積極的にコミュニケーションを取れて、トレーニングも楽しめると言えるでしょう。
一方で、他の犬への警戒心や縄張り意識が強いことには注意が必要です。しつけが不十分だとよく吠える犬になってしまう可能性もあるので、子犬の頃からきちんとトレーニングをすることが欠かせません。また、牧羊犬であるコーギーは運動欲求が強いため、毎日散歩に行き家の中でも遊ぶことが必要です。
肥満予防のためにも、十分な運動をさせましょう。あわせて食事管理を行うことや、大量の抜け毛を取り除くためにこまめにブラッシングを行うこともポイントです。
近年は断尾をした丸いおしりではなく、大きなしっぽがついたままのコーギーが多く見られます。動物愛護の観点から断尾は減少していますが、希望がある場合はお迎え前に確認するとよいでしょう。
集合住宅では飼いづらい中型犬であるためか、20年前に比べて飼育数が15%ほどに減少していますが、胴長短足の愛らしい見た目と、パワーに溢れた活発さはコーギーならではの魅力。ぜひこの記事を参考にして、コーギーを家族に迎えてくださいね。
<参考>
(※1)一般社団法人ジャパンケネルクラブ「犬種別犬籍登録頭数」
(※2)環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」
(※3)アニコム損害保険株式会社「アニコム家庭どうぶつ白書2021」
(※4)アニコム損害保険株式会社「アニコム家庭どうぶつ白書2020」
(※5)アニコム損害保険株式会社「アニコム家庭どうぶつ白書2022」
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