そもそも去勢手術とは?
中性化および去勢とは、繁殖に必要な性腺を除去することで卵巣子宮摘出術あるいは精巣摘出術のいずれかを指します。
望まない繁殖と、病気を効果的に予防することができるため、性成熟前に去勢手術や避妊手術をおすすめする獣医師が多いです。
去勢手術を行わないと…
- 望んでいない繁殖が起きる
- 病気になる可能性がある
そのため去勢手術や避妊手術を勧める獣医師は多いです。
去勢手術は何歳からできる?
去勢手術や避妊手術を実施できる年齢については様々な意見がありますが、個人的には猫でも犬でも6ヶ月頃までには去勢手術や避妊手術をするのが良いかと思います。
動物の去勢手術適齢期
去勢手術:生後7週~6ヶ月の間避妊手術:生後3ヶ月から6ヶ月の間
生後7週を過ぎると麻酔からの回復も早いため、性成熟・発情期を迎える前に去勢手術をすることをおすすめしています。
犬や猫は大体6ヶ月ほどで性成熟を迎えて最初の発情がくるため最初の発情前に手術を行う事が大切です。
メスの場合
乳腺腫瘍の発生リスクを抑えることができる高齢になると増える子宮蓄膿症を予防することができる
避妊手術を行うことでメス特有の病気のリスクを抑えることが可能です。
オスの場合
性成熟のマーキング行動を抑えられる一度マーキング行動が出たあとは去勢しても治まらない事が多くなります。
生後7週を過ぎたあとは高齢の動物よりも麻酔からの回復が早くなるので、大体生後7週から生後6ヶ月までのどこかで実施すると丁度良いかと個人的には考えています。
メスの場合は3ヶ月より前に手術を実施すると尿失禁のリスクが高くなるので、生後3ヶ月から6ヶ月の間に手術をおすすめしています。
去勢のタイミング
- 性成熟を迎え、最初の発情期を迎える前に手術をする
- メスの場合尿失禁リスクが高くなるので3ヶ月より前に手術はしない
去勢手術が終わったあとにかかるお金
去勢に関する費用
去勢・避妊手術にかかった費用には、術後の薬や抜糸代が含まれている事が多い 手術のあとに合併症などを発症した場合別途治療費が発生する通常は去勢手術と避妊手術にかかるお金には、術後の飲み薬や抜糸の代金も含まれています。
動物病院によっては退院時にそれまでの代金を払い、後日抜糸で来院した際の代金は別で支払うというパターンや、入院時に抜糸まで一括して支払うというパターンもあるかもしれません。
基本的に必要になるのは術後は抗生剤などの飲み薬と抜糸のみです。飲み薬は必須という訳ではないので処方しない病院もあります。
合併症などで治療が必要になった際はその都度費用が発生します。
目安にする手術の値段
費用の目安
- 去勢・避妊手術は麻酔料金抜きで15,000円から40,000円の範囲
- 病院により費用は違う
- 体重や病気の有無によっても金額は違う
去勢手術や避妊手術の代金の内訳を聞いてみると、それぞれにかかるお金の詳細が分かります。
現在は独占禁止法により獣医師団体が協力して基準料金を定めたりすることが禁止されているため、現在法律のもとでは獣医師は各自に料金を設定していくしかありません。
麻酔料金抜きでの去勢手術と卵巣子宮除去手術は15,000円から40,000円の範囲での回答が多い
(参考:家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査 平成27年度:日本獣医師会)
オス犬と比較してメス犬は料金が高めですが、オス犬とは違い開腹手術など避妊手術の方が難しいためと思われます。
実際にはこの手術代金に麻酔料金や各種処置料金、入院費用などが合算されて去勢手術費用や避妊手術費用として飼い主さんに提示されます。
当然体重や病気の有無によっても手術代金や関連費用は変わってくるため、一つの病院内でも動物ごとにかかる料金は変わってきます。
なぜ手術費用は公開されていないの?
診療や手術に関わる費用は獣医療法(獣医療広告ガイドライン)で公表することを制限されているため掲載していません。
費用については個別に病院に問い合わせる必要があります。
去勢費用が公開されない理由
- 法律で制限されているため費用についてはサイトへの掲載ができない。
- 費用については直接動物病院に問い合わせが必要。
後悔しない去勢避妊手術のための病院選びのポイント
去勢手術や避妊手術は若くて元気な動物に行うことが多いですが、手術であることには変わりません。
何を重視するか
- 価格を抑えたいのか
- 安全面を優先したいのか
病院選びのポイントはどちらかを重視するかによります。
動物病院は獣医師によって費用が決められるので、費用の内訳を教えてくれる病院を選ぶと安心でしょう。
病院によって費用や対応は違う
動物病院の費用は独占禁止法により、基準料金を定める事ができません。
そのため各獣医師、病院によって料金が設定されています。
万が一の場合に備え安全策をとることで費用が高くなる病院
病院によって費用や対応は変わってきます。
【安全を優先・費用が高くなるケース】
麻酔をかけることで血圧が低くなり、臓器への血流が一時的に少なくなるため酸素や栄養が届きにくい状態になります。
腎臓や肝臓の働きが弱くなってきているような動物だと、こうした血流の変化を受けて一気に悪化してしまう可能性もあります。そのため術前に体に病気がないか確認するための様々な検査を取り入れている病院もあります。
もし術前検査で異常がみられた場合は、お薬を術前から飲ませたり臓器を保護するような点滴を増やしたりするためさらに高額になってくるでしょう。
若くて健康であるワンちゃんであれば、費用を抑えた手術を受けさせても安全かもしれませんが、体力のないワンちゃんだと安全を優先した方がいい場合もあります。
どちらを選べばいいの?
動物病院によって優先している事が違います。
選び方は何を優先したいか
最低限の麻酔と手術代金だけで価格を抑えることを優先しているのか
多くの検査を取り入れて
安全に力を入れることを優先しているのか
「費用を抑える事」なのか「安全に力を入れる事」なのかは、実際に動物病院に話を聞いてみないと分からないことも多いです。
どちらが良いということもなく、飼い主さんが自分たちは何を優先して手術を受けさせるのかを決めてから、自分の姿勢に合う病院を探すことが大切になります。
獣医師に去勢手術や避妊手術の内訳を聞くとそれぞれの費用を教えてくれると思います。
もし納得できない場合は
健康上のリスクはある程度覚悟して価格を抑えたい
ある程度高額になってもよいので安全面を優先したい
という飼い主さんの要望を伝え、どのように実施していくか病院とよく話し合うことが重要です。
動物病院を選ぶ目安として「飼い主さんの相談に乗ってくれる・費用の内訳を教えてくれる」かどうかも1つのポイントと言えるでしょう。
病院選びのポイント
- 費用を抑えたいのか、安全面を重視したいのか飼い主の意向を組んで相談に乗ってくれるか。
- 費用の内訳を教えてくれるのかを病院選びのポイントにする。
まとめ
去勢手術や避妊手術は性別により差もありますが大体15,000円から40,000円の幅になります。
それにプラスして麻酔料金や各種処置料などを合わせて去勢手術や避妊手術代として提示されているパターンが多いということを今回はご紹介してきました。
動物病院のサイトに料金が記載されていないのも、飼い主さんを困惑させたい訳ではなく法律で制限があって掲載ができないという理由があります。
手術を受ける病院を探す時は、
- 問い合わせた際に費用について快く教えてくれる
- 飼い主さんの「価格を優先したいか」「安全面を優先したいのか」の相談に対応してくれる
…などのポイントを重視して手術の費用に納得できる病院を探してみてはいかがでしょうか。
去勢・避妊手術の費用は大体15,000円から40,000円 去勢手術は成熟期・発情期を迎える6ヶ月前までに行う 病院選びは「費用重視」「安全性重視」か「費用の内訳を教えてくれるか」をポイントに選ぶ