公開 2021.03.04 更新 2021.03.04
愛犬の避難グッズ「準備してない人は85%以上!?」災害がおきたらどうやって避難する?【飼い主400人にアンケート】

愛犬の避難グッズ「準備してない人は85%以上!?」災害がおきたらどうやって避難する?【飼い主400人にアンケート】

地震大国の日本。つい先日も、東日本で大きな地震が起きたことは記憶に新しいことでしょう。

ほかにも、年々被害が大きくなっている豪雨などでは、土砂災害や浸水など避難を余儀なくされることが増えていますね。

でも、意外とできているようでできていないのが災害グッズ・避難グッズの準備です。特に愛犬が一緒に避難するとなると、その中身はとても重要!

そこで今回は、全国の犬を飼っている飼い主さん400人を対象に、愛犬の災害時の意識について大調査!

災害はいつ襲ってくるかわかりません。そのときになって困らないために意識することや、愛犬の避難グッズの準備の参考にしてくださいね!

愛犬の防災・避難グッズを準備していますか?

愛犬の防災・避難グッズを準備していますか?・準備している…15%(60人)
・準備していない…44%(176人)
・準備しようと思うけど何をすればいいかわからない…41%(164人)

このアンケートでは、85%の飼い主さんが準備をしていないという結果になりました!

中には、

女性 / 50代
女性 / 50代
この間の地震の時には、とても慌ててしまいましたので、改めて準備したいと思いました

という回答もありましたが、「何を準備していいかわからない」という飼い主さんが多いようです。

愛犬と避難できる避難先の場所を調べてありますか?

愛犬と避難できる避難先の場所を調べてありますか?・はい…29%(116人)
・いいえ…71%(284人)

災害時にお世話になるであろう避難所ですが、愛犬と避難できる避難先の場所を調べていない飼い主さんが71%という結果に!

実際に災害が起きると想定することは、普段の生活からは実感しにくいのは確かです。「災害が起きたら避難所へ」ということは浸透していても、みなさん漠然としているようです。

準備している人に何を用意しているか聞いてみた!

こちらのアンケートは、愛犬の災害グッズ・避難グッズを「準備している」と回答された飼い主さん60人が答えてくれました!(複数回答可)

準備している人に何を用意しているか聞いてみた!のグラフ60人中52人の飼い主さんが、「フード」を準備しているという結果になりました。続いて「水」が35人、「ペットシート」が23人となっています。

避難所で食事が配給される人間と違って、わんちゃんの食事は不確かなものです。ほとんどの飼い主さんが「フード」を用意しており、愛犬の食料の確保は大切だと感じているようです。

愛犬と避難できる避難所は近くにありますか?

愛犬と避難できる避難所は近くにありますか?のグラフ

・はい…16.5%(66人)
・いいえ…19%(76人)
・わからない…64.5%(258人)

このアンケートでは、「わからない」と回答された飼い主さんが64.5%と半数以上であることがわかりました。

災害が起きて避難しなければいけなくなったとき、家のそばに愛犬と避難できる避難所があるかどうかは、移動方法やルートを考える上でも重要なことです。

改めて避難所が漠然としたものである、ということが浮き彫りになった結果となりました。

実際に愛犬と避難したことのある人は2.5%!貴重な体験談を紹介

アンケートを受けた400人中10人の飼い主さんが実際に災害にあわれて愛犬と避難したことがあると回答されました。

実際に愛犬と避難したことがある人の割合グラフ・はい…2.5%(10人)
・いいえ…97.5%(390人)

今回のアンケート結果では、実際に愛犬と避難したことがある飼い主さんが2.5%いらっしゃいました。

そこで、避難するにあたって、または避難先で困ったことを教えてもらいました。

なかなか聞くことのできない、貴重な体験談をご紹介します!

避難する際に困ったことは?避難所に愛犬が入れなかったという声も!

男性 / 30代
男性 / 30代
避難をして車の中で一緒にいたので、トイレなどは困りました
女性 / 50代
女性 / 50代
避難所では中に犬を連れては行けないので外にリードをつけて置いてる形をとりました。 犬を連れて行けるだけでも助かりましたが真冬の災害でしたので、 寒さが心配でした
女性 / 20代
女性 / 20代
(犬が)まだ小さかったので動き回るんじゃないかと心配だったので、できるだけ空いている避難所を探しました
男性 / 30代
男性 / 30代
避難所には入れないので車の中で一緒に過ごしました
女性 / 30代
女性 / 30代
車で2日間避難したのですが、犬と一緒にずっと車の中で過ごしました。犬をトイレに連れていくときに、糞尿の匂いやトイレの場所に気を使いました。犬が他の避難者を吠えてしまったとき、とても気を使いました

愛犬が避難所に入れなかった」という声や、「ほかの避難者に気を遣った」という声があり、改めて愛犬と避難する際の場所やマナーを考えておかなければいけないことがわかりますね。

災害が起こったときに不安に思うことは?

続いて、みなさんに「災害が起こったときに不安に思うことがあれば教えてください」と書き込んでもらったところ、みなさんさまざまな不安を抱えているようでした。

1位:愛犬と一緒に避難所にいけるのか・一緒に過ごせるのか
2位:愛犬の心理的負担
3位:周りの人に迷惑をかけないか
4位:病気やケガをしたときにどうするか

5位:留守中に災害が起きたら愛犬だけが取り残されてしまうのではないかという不安

ほとんどの飼い主さんが、「愛犬と一緒に避難所にいけるのか」「愛犬と一緒に過ごせるのか」という回答でした。

みなさんのリアルな声をいくつかご紹介します。

■避難未経験者の声

女性 / 40代
女性 / 40代
犬の心理的負担と連れて避難できるのか、いつもは家の中で一緒に過ごしているので避難所でも一緒に過ごせるスペースがあるのか

女性 / 30代
女性 / 30代
避難先で犬も受け入れてくれるか、もし一緒に避難できたとしても不快に思う人から文句を言われないか不安です
男性 / 60代
男性 / 60代
(犬が)驚いて逃げないかが心配
女性 / 50代
女性 / 50代
犬が留守番している時に、災害がきたらと思うと不安です
女性 / 30代
女性 / 30代
災害避難後、愛犬が体調を崩してしまった時に、すぐに獣医や動物病院関係者と連絡が取れるのかが不安です
女性 / 20代
女性 / 20代
人の食料や水の確保も大変な時にペットにそれを分配してもらい確保できるのか心配
女性 / 50代
女性 / 50代
大型犬の為受け入れてくれる所があるのか不安です
女性 / 40代
女性 / 40代
2匹いるし、よく吠える、1匹は噛みつく恐れもあるし、避難所には絶対連れて行くのは無理だと思っている、正直実際どうしたらいいかわからないでいます

■避難経験者の声

男性 / 30代
男性 / 30代
家にいない時に災害が起きると愛犬が心配でなりません

女性 / 50代
女性 / 50代
私は常に災害を意識して準備はしてるつもりです。避難袋のフードは約2週間分は入ってますが(家には3週間分)それで足りるかとか不安です。災害にはフードを購入出来ない場合もありますから、津波、壊滅を経験してますから、まずフードが心配です
男性 / 30代
男性 / 30代
ペットの餌が不足してしまうことがとても怖かった

などなど、アンケートは任意でしたが、9割以上の飼い主さんが不安に思うことを書いてくれました。

実際に避難を経験されている多くの飼い主さんが、フードが足りるか不安だと答えていることにも注目したいですね。

災害時・避難時に慌てないために知っておくべき3つのこと

実際に災害が起こったら、自分がパニックになってしまうことも考えられます。

少しでも不安な要素を取り除き落ち着いて行動できるように、避難所と災害時に用意しておきたい愛犬グッズについてご紹介します。

■知っておくべきこと
①愛犬との同行避難が原則
②同行避難と同伴避難の違い
③愛犬の避難に必要なもの

①環境省から愛犬との同行避難が原則とされている

飼い主と犬アンケートの回答で、「人命優先なので動物は連れて行けません(40代・男性)」と答えた飼い主さんがいらっしゃいました。

ところが実は現在、国からペットとの同行避難を原則とすることが呼びかけられています。

これは、災害の度に置き去りにされて命を落とすペットや、野生化してしまうペットがいる現状で、動物保護の観点や自然繁殖して増やさない意味も込められているためです。

しかしこうして、なかなか一般に浸透していないのが現状ではないでしょうか。

また残念ながら、自治体によっては対応に手が回らないため、ペットを断るということもあるようです。

ご自分の住んでいる地域の避難所がどんな対応なのか、自治体のHPなどで一度確認しておくといいでしょう。

環境省:災害時におけるペットの救護対策ガイドライン

②同行避難と同伴避難は違うので注意!

犬と飼い主同行避難も同伴避難も、愛犬と飼い主さんが一緒に避難するということは同じですが、避難所での対応が違ってきます。

■同行避難
…人とわんちゃんが別々の場所ですごすことがほとんど

同行避難は避難所までは一緒に行けますが、わんちゃんは避難所の外に用意された空間で、つながれたりケージに入ってもらいます。

愛犬と別々に過ごすことにはなりますが、ほかの避難者さんに気を遣わなくてもいい・避難所内でのトラブルを避けられるなど、飼い主さんの心的負担が軽減されます。

■同伴避難
…人とわんちゃんが同じ空間ですごすことができる

同伴避難は避難所の中にわんちゃんを連れて入ることができ、同じ空間ですごすことができます。

避難所内で周りの避難者さんに気を遣いますが、愛犬と一緒にいられるので愛犬の心的ストレスを軽減できるだけでなく、常に見ていることができるので自分も安心できます。

どちらにもそれぞれメリット・デメリットはありますが、自分の行く避難所が、同行避難なのか同伴避難なのかわかっていないと、せっかく避難所に行っても慌ててしまうことになるため、しっかり確認しておきたいところですね。

また、自治体によっては地域の動物病院と連携し、災害時は動物病院でわんちゃんを預かってくれる所もあるので、そこも確認しておくといいでしょう。

③愛犬との避難に必要な用意しておくものをチェック

リュックと犬愛犬のための防災グッズや避難グッズと言っても、漠然としていると何をどれだけ用意しておけばいいかわかりませんね。

こちらにまとめてみましたので、愛犬用の避難バッグを作る際に役立ててください!

■絶対に用意しておいたほうがいいもの
・フード…1週間分
・水…1週間分
・普段飲んでいる薬…1週間分
・トイレシート…1週間分
・ハーネス(首輪)・リード
・タオル(バスタオル2枚・フェイスタオル5~6枚)
・ウェットティッシュ
・簡易ケージやキャリーバック
・フードボウル2つ(折りたためるものが便利)
・トイレ処理袋・45リットルのゴミ袋

■できれば用意しておきたいもの
・毛布やブランケット
・おやつ
・おもちゃ
・犬服
・犬用の靴下や靴
・ブラシと水のいらないシャンプー
・懐中電灯
・包帯・消毒液
・愛犬の写真
・ペット保険証・ワクチン証明書
・迷子札・鑑札札
・消臭スプレー・虫除けスプレー

フードなどは配給されることもあるようですが、不確かなことや環境が変わって食べ慣れていないフードは食べないわんちゃんもいるので、最低でも1週間分は用意しておきたいところですね。

また、わんちゃんが苦手な方がいたり、抜け毛やニオイを気にされる方もいるので、犬服や消臭スプレーなども用意しておくといいでしょう。

最近の通販サイトでは、持ち運びしやすいコンパクトなわんちゃんの防災グッズセットがいろいろ販売されています。

INUNAVI編集部では「犬の防災セットおすすめランキング」で、防災グッズの選び方やおすすめグッズなど紹介しているので、気になる方はチェックしてみてくださいね!

災害時にあったら便利な物もご紹介!

みなさんに、「災害時にあったら便利なものがあれば教えてください」のアンケートに答えていただきました。

女性 / 40代
女性 / 40代
犬が落ち着いて過ごせるスペースを作れるキャリーケースより少し大きいけれど持ち運び時には畳めるようなコンパクトな物
女性 / 40代
女性 / 40代
避難場所で暖をとったり、下に敷いたりワンちゃんが粗相をしたときに拭くことが出来る新聞紙がたくさんあると便利だと思います
女性 / 20代
女性 / 20代
犬を長時間狭い場所に隔離するのは可哀想なので、広いテントのようなものの中に人間も一緒に入って過ごせるといいなと思います
女性 / 40代
女性 / 40代
絶対に臭いの漏れない、うんち袋は必須です。拭くだけでシャンプーできる使い捨てタオルも便利だと思います

あったら便利なものまとめ
・テント
・キャンピングカー
・ラップ
・ビニール袋
・オムツ・マナーパッド
・ガムテープ

テントやキャンピングカーは、愛犬が避難所に入れなかった場合でも一緒にすごせる場所になりますね。

ほかにもラップやビニール袋などは、わんちゃんの食器にかぶせれば、洗いものができなくても清潔なお皿でごはんをあげることができます。

また、ガムテープについては、以下の使い方を参考にしてくださいね!

■ガムテープの使い方
ケージやクレートにタオルや段ボールを張り付けれれば、防寒対策や安心できる空間を作ってあげることができます。

また、犬用の靴下や靴の準備がなくても、手持ちのハンカチやハンドタオルなどをわんちゃんの足に巻いてガムテープで留めれば靴の代わりになり、足元にガラスや瓦礫が落ちていてもケガをすることは防げますよ!

今回のアンケートの調査内容

今回のアンケートは全国の犬の飼い主さん400人がご協力してくれました!

【今回の調査概要】
調査内容:「災害の意識調査」についてのアンケート
調査方法:インターネット調査
対象者:全国の10代~60代の犬の飼い主男女400名(男性110名 / 女性290名)
調査日:2021年2月19日

アンケート項目】
Q1:愛犬の防災グッズ・避難グッズを準備していますか?
Q2:準備している人は何を用意していますか?
Q3:愛犬と避難できる避難所の場所は調べてありますか?
Q4:愛犬と避難できる避難所は近くにありますか?
Q5:実際に愛犬と避難したことはありますか?
Q6:避難するにあたってまたは避難先で困ったことはありましたか?
Q7:災害が起こって不安に思うことはありますか?
Q8:あったら便利なものがあれば教えてください!

まとめ

飼い主と犬今回、わんちゃんを飼っている飼い主さんの意識調査を行った結果をご紹介しましたが…

このアンケートで確かに犬をどうすればいいかを初めて考えた(20代・女性)」

といった声も多く聞けたように、みなさんももう1度よく考えてみるきっかけになれば嬉しいです。

■今回のアンケートでわかったこと
・愛犬用の防災グッズ・避難グッズを準備していない飼い主さんが85%

・愛犬と避難できる避難先を調べていない飼い主さんが71%
・同行避難が原則なことを知らない飼い主さんが大多数

災害はいつ襲ってくるか誰にもわかりません。そのときになって慌てない・困らないためにも、日頃から意識し準備しておくようにしましょう。

ペットライター たかだ なつき

執筆者

ペットライター
たかだ なつき
JKC愛犬飼育管理士 / ペットフーディスト / 犬の管理栄養士 / ペット看護士 / ペットセラピスト / トリマー・ペットスタイリスト / 動物介護士

17歳のチワックスと1歳のチワックス、0歳のポメチワと暮らしています。これまで愛犬チワワと2匹のミニチュアダックスたちの闘病・介護生活の経験から、犬の健康や介護について学びを深めペットにまつわる様々な資格を取得し、老犬のトータルケアサロン開業に向けて準備中です。

【保有資格:ペットフーディスト / 犬の管理栄養士 / ペット看護士 / ペットセラピスト / トリマー・ペットスタイリスト / 動物介護士 / JKC愛犬飼育管理士

いぬなび公式
インスタグラム

毎日更新中