【獣医師監修】愛犬の食欲がない!ご飯を食べない3つの原因と対処法とは
コラム
2020.08.20

【獣医師監修】愛犬の食欲がない!ご飯を食べない3つの原因と対処法とは

愛犬の食欲がなく、ごはんを食べない…こんな状況になると飼い主さんとしては心配ですよね。

わんちゃんが食欲不振になってしまうのは、主に3つの原因があると考えられます。今回はその理由と原因、対策法を解説していきます!

この記事の監修者

藤井 ちひろ
獣医師
獣医師 ( Rose Rose Animal Clinic 院長 )/ペット栄養管理士/ペットフード販売士/ペット食育上級指導士。北海道帯広畜産大学畜産学部獣医学科卒業。「動物と飼い主にもっと寄り添った医療」を目指し、令和2年2月2日 Rose Rose Animal Clinic を千葉県に開業。※ドッグフードなどの商品掲載部分の監修は除く

「病気」が原因でご飯を食べない

食欲不振でごはんを食べないとき、まず疑われる原因は病気です。病気が原因で起こる食欲不振の際にみられる症状と対策法とは?

病気かも?チェックすべき3つの症状

食欲がないことに加えて、「元気がない」「下痢や嘔吐をする」「水を飲まない」などの症状が現れていたら、まず病気を疑ってみましょう。

それぞれの症状と、原因かもしれない病気について詳しく解説していきます。

症状1:水を飲まない

ごはんはおろか、水も飲まない。このような症状のときに考えられるのは、椎間板ヘルニアのような全身に強い痛みを感じる病気、重度の感染症による敗血症、そして悪性腫瘍の進行などによる全身状態の悪化、などの病気です。

ただでさえ病気で弱っているのに、ごはんも水もまったく受け付けない状態が続くと、ますます体力を消耗してしまいます。また、体力のない子犬やシニア犬、闘病中のワンちゃんが同じ症状に陥った場合は特に注意しましょう。

症状2:元気がない

いつもは元気なはずのワンちゃんが、なんだか元気がなくボーッとしている。そんなときも病気が疑われます。

胃腸炎、心疾患、肝炎、腎不全により発熱や体の痛み、だるさを感じている疑いが考えられます。

症状3:下痢や嘔吐をする

ごはんをほとんど食べていないのに嘔吐や下痢をしている場合は、消化器系の病気の疑いが濃厚です。そのほか胃腸炎などの感染症が原因とも考えられます。

代謝をつかさどる肝臓や腎臓の病気がある場合も、下痢や嘔吐の症状が見られることがあります。

その他の症状:口腔疾患、呼吸器疾患など

ごはんは食べないけれど水は飲むというケースもあります。口腔内に疾患があると痛がってごはんだけは食べなくなるということも。特にシニア犬は歯周病や歯槽膿漏による歯の欠けなどが原因となって、ごはんが食べづらくなることもあります。

鼻が短いブルドッグ、パグ、シーズーなどの短頭種のワンちゃんは、夏場など暑い季節や興奮によって早い呼吸が継続した場合、軟口蓋(上あごの柔らかい部分)が気道の入口を塞いでしまう「短頭種気道症候群」が起こる可能性があります。このような呼吸器疾患がある場合も、食欲不振の症状が見られる場合があります。

フィラリア症などに代表される感染症も呼吸器や全身性の疾患を招く原因となり、食欲不振や下痢、嘔吐などの症状があらわれます。 

病気が疑われるなら、すぐに動物病院を受診しよう

まったく食べ物を受け付けない、元気がない、下痢や嘔吐がみられるなど明らかに病気が疑われる場合は、できるだけ早く動物病院に連れていきましょう。

病気が原因となっている食欲不振の対策は、動物病院で診察を受け適切な治療や処置を受けることが一番です。下痢や嘔吐の症状がある場合は、ワンちゃんが吐いたものや便の状態を記録したメモなどを獣医師に見せるのも良いでしょう。

ワンちゃんの食欲不振の原因が判明したら、獣医師の指示通りに薬を与えたり、安静に過ごせる環境を作ってあげたりしてくださいね。

「ストレス」が原因で食欲不振に…

犬のストレス

なんらかのストレスがあると、食欲不振となってあらわれることがあります。言葉が話せないワンちゃんですが、人の気づかないところでストレスを溜め込んでしまっているのかも…。以下のような変化があったときも、食欲不振の原因となっているかもしれません。

食欲不振の原因がストレスにある場合は、まず原因となっているストレスを理解し、解消してあげましょう。

引越しなど、環境の変化によるストレス

住む家や場所が変わり、これまでとは違う環境での生活が始まると、私たち人間も慣れるまではアタフタしがちですよね。ワンちゃんにとってもそれは同じ。慣れ親しんだ環境から移動して新しい場所での生活は、ワンちゃんにとってストレスの要因になることがあります。

音やニオイ、散歩で外を歩いたときに感じなど、今までの環境との違いに慣れるまでには、相応の時間が必要です。

コミュニケーション不足によるストレス

家でひとりお留守番の時間が長い、散歩や触れ合いの時間が少ないなど飼い主さんとのコミュニケーションが不足するとワンちゃんは寂しさを感じ、それがストレスとなることも。

また、しつけの時期に必要以上に叱ってしまうとワンちゃんは萎縮してしまいます。しつけが済んでからも、ワンちゃんの心を置き去りにしたまま接してしまうのは要注意!

失敗をしてしまったことや食べないことに対して叱ったりすると、ワンちゃんはさらにストレスを感じてしまうのでNGです。寂しさや不安を感じさせてしまったぶん、その後のフォローは忘れずに。飼い主さんからの愛情をきちんと感じられたら、やがてストレスも解消していき本来の食欲も戻ってくることでしょう。

外泊など、飼い主さんと離れるストレス

飼い主さんと短時間でも離れて過ごすことに不安を感じる「分離不安」の傾向があるワンちゃんにとって、ペットホテルなどに外泊することはとても嫌なイベント…。外泊とまではいかなくとも長時間の留守番も寂しく、不安でいっぱいになってしまうワンちゃんもいます。

事情があってどうしても愛犬と離れなければならないのは、飼い主さんにとっても悩ましいところですが、孤独感はワンちゃんにとって大きなストレスとなります。留守番の時間を可能なかぎり短くする、楽しい散歩をさせてあげるなど、スキンシップを含めてワンちゃんと一緒に過ごす時間をできるだけ増やしてストレスを解消してあげましょう!

「老化」が原因で食欲が落ちた

若いころはガンガン食べられたのに、年齢を重ねたら胃がもたれやすくなった…と感じている飼い主さんもいるかもしれません。人間が感じるこのような食の老化、じつはワンちゃんにもあるんです。

なぜ老化すると食欲低下するの?

ワンちゃんは高齢になると、人間と同様に筋力や消化機能が低下し、食べられるごはんの量も徐々に減っていきます。ここでは老化と食欲の関係を解説します。

代謝と消化器官の機能が低下している

人間と同様、年齢を重ねるとワンちゃんも代謝機能や消化機能が低下します。必要な摂取カロリーも低くなるため、高齢のワンちゃんの場合はごはんを食べる量が少なくなっていくのはごく自然なことですので、あまり心配はいりません

また、筋力も衰えてくるため、ごはんを食べる姿勢を維持することが難しくなってきます。ごはんの姿勢を取ることがワンちゃんの身体に負担が大きくなると、ごはんをこれまで通りに食べなくなることがあります。

味覚・歯・歯茎が衰える

味覚の衰えも、シニア犬によく見られる現象です。若い頃よりもごはんのおいしさを感じにくくなり、食べる量が少なくなることがあります。

さらに歯が欠けてしまったり、歯茎が衰えてしまったりと、口腔内のトラブルがごはんを食べる妨げとなることも。特にドライフードなど硬いものは食べなくなる傾向が強まります。

食べやすいごはんを用意してあげよう

加齢によって食欲が落ちてしまうのはある意味自然なことです。しかし体重が極端に落ちてしまうようであれば、シニア犬用に作られた少量で十分なカロリーや栄養を摂取できるフードに変更すると安心ですね!

ワンちゃんが食べやすい柔らかさのごはんを用意してあげるのも効果的です。

元気があるのに食べないときはフードを見直してみよう

病気にもなっていないし、ストレスとも無縁な若いワンちゃんなのに、ごはんを全然食べてくれない…。そんなときは、もしかしたらフードがワンちゃんに合っていないのかもしれません。

ずっと同じ銘柄のフードだけを与えてきて、突然食べなくなったという場合は同じフードに飽きてしまったことが考えられます。いくらお気に入りの味でも、長期間同じものを食べ続けるとワンちゃんも飽きてしまいます。

対処法としては、トッピングで変化をつけるのもおすすめです。普段からフードを複数パターン用意しておくと、飽きてしまった場合にその中でローテーションも可能です。

ただし新しいドッグフードへの切り替えは、ワンちゃんに警戒されないよう慎重に行いましょう。時間をかけて、前に与えていたフードに混ぜながら徐々に切り替えていくとスムーズに切り替えができますよ。

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まとめ

ワンちゃんの食欲不振の原因は「病気、ストレス、老化」の3つが主に挙げられますが、この3つの要因がさまざまな形で混ざり合って食欲不振を引き起こしているケースもあります。

まずはワンちゃんの様子を日ごろからよく観察して、元気なときとそうではないときの違いを把握しておくことが重要です。観察する習慣があれば、愛犬の小さな異変にも気づきやすくなりますよ。

少しでも変だなと感じたら自己判断で対処するのではなく、動物病院を受診して、わんちゃんの健康を守ってあげてくださいね♩

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