公開 2020.05.13 更新 2023.05.08
子犬のトイレトレーニングの簡単なしつけ方を紹介!誘導の仕方・失敗の原因は?

子犬のトイレトレーニングの簡単なしつけ方を紹介!誘導の仕方・失敗の原因は?

おうちに犬を迎えて最初に行うしつけがトイレトレーニングです。しかし、なかなか成功できずに悩んでいる方はたくさんいますよね。この記事では、

「1ヶ月経っても覚えなくて焦っている」
「何度やってもトイレシートの上でできない」
「トイレへの誘導がどうしてもうまくいかない」

など、トイレトレーニングにお悩みを抱える飼い主さんのために、失敗の原因と正しいトレーニング方法を解説します。諦めずにもう一度やり方を見直せば、今からでもマスターできるはず。適切なトレーニング期間やスタート時期、やり直しについても詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてください。

ライター Haruko

執筆者

ライター
Haruko

愛犬の介護のために会社を退職し、現在はフリーランスのライター・編集者として活動中。小学生から一緒にいる17歳の柴犬(♂)が何より大事です。ペットグッズを実際に使って比較する記事をこれまでに多数執筆。その経験を生かし、リアルで新しくて本当に役立つ情報を届けることをモットーにしています。

失敗の原因|まずはトイレの場所をきちんと認識しているかチェック

はじめに、犬がトイレを失敗してしまう主な原因を紹介します。今のトレーニングを振り返ったときに、チェックリストの中に当てはまるものがないでしょうか?原因がわかれば、あっという間にマスターできるかもしれません。

失敗の原因チェックリスト

  • トイレと寝床が近い場所にありませんか?
  • トイレが周りから見えすぎる場所やうるさい場所にありませんか?
  • トイレのスペースが小さすぎませんか?
  • トイレは常にきれいな状態ですか?
  • トイレに連れて行くタイミングは適切ですか?
  • 犬が歩く場所にじゅうたん・カーペットを敷いていませんか?
  • 失敗した時に怒ったりリアクションを取ったりしていませんか?

これらがなぜ失敗の原因になるのかを、以下で解説していきます。

原因① トイレの場所がわかっていない

トイレを失敗したラブラドールの子犬

一番多い原因と考えられるのが「トイレの場所を理解していないこと」です。犬は人間と違い、目でトイレの場所を認識できません。飼い主が決まった場所ですることを繰り返し教え、犬がそれを覚えない限りはマスターするのは不可能です。

しかし、逆に言うとそれは「場所をきちんと教えられれば覚えられる」ということでもあります。なかなかうまくいかずに悩んでいても、正しい手順で教えればきっと成功するはずです。どのように教えるかは、このあとに解説するトレーニングの方法をチェックしてください。

原因② トイレが寝床と近すぎるorトイレの環境が悪い

犬 トイレ

犬はきれい好きなので、自分の寝床や生活スペースに近い場所を汚したくない習性があります。トイレと寝床がすぐ近くにあることが、うまく行かない原因かもしれません。

トイレ用のケージを別に用意して、ハウスから離れたところに置くのが理想的です。留守番させる場合はハウス内にトイレと寝床のクレートを設置しても良いですが、その場合十分なスペースを取って、できる限り離してください。クレートは落ち着ける薄暗い空間を作れるので寝床と認識しやすく、そこから出たところをトイレと認識しやすいメリットがあります。

寝床から離れていても、周りから見えすぎてしまう場所やうるさい場所など、犬が落ち着けない環境の場所は適していません。また、トイレのスペースが小さい、シートを替えておらず汚れているなども失敗の原因になります。

原因③ トイレに連れて行くタイミングが悪い

シートの上で寝るコーギー

トイレを覚えてもらうには、適切なタイミングでトイレに連れて行くことを繰り返さなければいけません。どのようなときにおしっこをするか、ご存知でしょうか?

子犬は頻繁に排泄します。常に様子を見て管理していないと、成功よりも失敗のほうが多くなり間違った場所で覚えてしまう原因に。子犬のトイレのタイミングは、トレーニング方法のSTEP2で確認してください。

原因④ 足元にカーペットやじゅうたんを敷いている

トイレを失敗したコッカー

家の中にカーペットやじゅうたんがあり、そこでよく粗相をしてしまうことはないでしょうか?犬は、臭いや経験のほか、足元の感触でもトイレを認識していると言われています。ふかふかの敷物があるとトイレシートと勘違いしてしまうので、トレーニング中は使わないようにしましょう。

ただし、ケガ防止のために足が滑らないようにする工夫は必要。滑り止め加工のコーティングがあるクッションフロアを敷くのがおすすめです。

原因⑤ トイレをすると怒られるor失敗すると注目してもらえると思っている

トイレを失敗して怒られるチワワ

失敗したときに怒ることもNGです。飼い主が怒っている理由がわからず、「トイレをすると怒られる」と勘違いしてしまいます。トイレを我慢したり、隠れたところでしたりする原因になるので絶対に避けましょう。

また、怒ることだけでなく何かリアクションを取ることもよくありません。声を出したり目を合わせたりすると、飼い主が自分に注目してくれると思ってしまいます。失敗したときは、できる限り犬には見せずに無言でサッと片付けてください。

トレーニングの方法|「失敗させない&できたら外に出す」を徹底する!

トイレの場所を覚えるまでは目を離さず、とにかく失敗させないことが大事。失敗を防ぎ成功体験を積み上げましょう。また、トイレで排泄してからケージの外へ出して自由に遊ばせることを徹底してください。

トイレトレーニングは、褒めれば覚えるわけではありません。10回中2回成功してそのときにどれだけ褒めても、8回の失敗した場所をトイレだと認識してしまいます。成功率を上げることが何よりの近道です。

STEP1:まずは失敗しない環境作りをする

ペットシーツ(トイレシート)

寝床から離れた犬が落ち着ける場所に、トイレ用のケージとトイレシートを設置しましょう。ケージは、排泄するときにくるくる回ってもぶつからない大きさを選んでください。やむを得ずハウス内にトイレを設置する場合は、できる限り離しましょう。

はじめは失敗を避けるため、トイレの全面にシートを敷き詰めます。トイレシートは、チワワやヨークシャー・テリアなどの超小型犬ならレギュラーサイズでも構いませんが、それ以上の大きさの犬種であればワイドサイズが適切です。できる限り面積を広くして成功率を上げましょう。

別の場所に臭いが残っているとそこをトイレだと勘違いしてしまうので、粗相のあとはきれいに掃除しておきます。

屋外であれば用を足せる場合は、風が入る窓際にトイレを設置するのも効果的です。

STEP2:トイレのタイミングを察知する

ケージに入るビーグルの子犬

子犬は月齢+1時間の間隔でおしっこをすると言われています(例:生後3ヶ月なら4時間)。しかし、それは安静にしている場合の話。動いたり食事をしたりするともっと頻繁に排泄します。1日10回は想定して、こまめに連れていかなければいけません。うんちも成犬に比べてかなり回数が多く、1日5,6回ほどします。

子犬がトイレをしやすいタイミングとしぐさは、次のとおりです。様子をよく観察して、失敗しないように管理しましょう。

■排泄しやすいタイミング
寝起き
ごはんのあと
遊んだあと
水を飲んだあと

■排泄前のしぐさ
床の臭いを嗅ぐ
くるくる回る
ウロウロする
隅っこにいる

トイレをした時間・場所・直前の様子などをメモしておくとタイミングをつかみやすくなります。家族で共有できるメモアプリなどを使うのがおすすめです。

STEP3:トイレに移動させる

ケージに入るポメラニアン

トイレのタイミングが来たら、トイレ用のケージの中に移動させて扉を閉めましょう。

はじめのうちは抱っこで上からケージに入れても良いですが、ずっと抱っこで移動させてしまうと、自分からトイレに行くことを覚えない可能性があります。おやつやリードも使いながら少しずつ誘導して、徐々に歩く距離を伸ばしてください。最初はケージのすぐ前からお尻を少し押して、一歩進むだけでも構いません。

外に出して遊んでいる最中によく失敗する場合は、リードを付けた状態で遊ぶのがおすすめです。排泄しそうなしぐさが見られたらリードを使って連れて行きましょう。

 

STEP4:うまくできたらケージの外に出す

パグ 子犬

トイレの中で用を足せたらすぐに褒め、ケージの扉を開けて外で自由に遊ばせましょう。間が空くとなぜ褒められているのかわからないので、すぐに褒めて外に出してあげるのがポイントです。犬から目を離すときは、再度ハウスに戻してください。

STEP2〜4を繰り返すと、「あの場所でトイレをすると外で遊べる」ということを失敗を防ぎながら教えられます。失敗してしまった場合はリアクションせず、犬に見せないようにしてすぐに片付けましょう。

褒める際は「いい子」「すごいね」など、短くて聞き取りやすい言葉にしてください。また、言葉にばらつきがあると褒められていることを認識しにくいので、家族で統一するのが効果的です。

 

STEP5:合図を決めて声をかける

ダックス しつけ

ある程度トイレの中でできるようになったら、排泄のタイミングに合わせて「シーシー」「ワンツーワンツー」などの声をかけましょう

そうすると、徐々にコマンドを言うだけで自分でトイレに行って排泄するようになります。

トイレトレーニングに関するQ&A

トイレトレーニングに関する、よくある質問に回答します。犬を飼う環境はそれぞれ違い、飼い主さんとワンちゃんに合ったトレーニングの進め方を見つけることも大事です。疑問を解決して、さらに成功率を上げていきましょう。

トイレトレーニングの期間はどれくらい?

子犬 ゲージ

個体によって差がありますが、早ければ1週間、通常2〜3週間ほどでマスターできます。1ヶ月経っても覚えない場合は、環境ややり方に問題がないかもう一度見直しましょう。原因がわからない場合は、ドッグトレーナーに相談することも検討してください。

トイレトレーニングはいつから始める?

トイレは毎日するものです。また、間違って覚えてしまうと直しづらいので、家に迎えたその日から始めてください。ただし、生活する環境が変わったときは体調を崩しやすいので、その場合は無理に行わないようにしましょう。

共働きだとトイレは覚えられない?

難易度は上がりますが、共働きの家庭で日中は教えられない場合でも不可能ではありません。トレーニングできる時間にしっかりと成功の体験を積み重ねれば、徐々に覚えられるでしょう。

しかし、留守が長いとうんちを踏み荒らす、食糞する、トイレシートにいたずらするなど別の問題が発生しやすいので、できる限り面倒を見られる時間を作ってください。難しい場合は、ペットシッターや犬の保育園を利用するのが良いでしょう。

間違って覚えてしまったときにやり直しはできる?

トイレトレーニングのやり直しは可能ですが、さらに徹底した管理が必要になります。失敗する場に行かせない、自由に放っておく時間を作らないなど、常にチェックできないと難しいでしょう。

しかし、ペットシッターや保育園を利用すれば覚えられる可能性はグッと上がります。

成犬でもトレーニングできる?

ポメラニアン

基本的に成犬でもトイレは覚えられます。しかし、子犬よりもハードルが高いので根気よくトレーニングしなければいけません。愛犬と一緒にいる時間をできる限り作ってください。

一方で、柴犬のように特にきれい好きで警戒心が強い犬種は、成犬だと難しいケースもあるので注意しましょう。

散歩中や庭でさせる場合はトレーニングはいらない?

成犬になっても、家の中で用を足せる犬種であればトイレを済ませてから散歩に行くのが基本的なマナーです。また、庭があったとしても悪天候で外に出られないことや、災害時に避難所に行くこともあります。犬がトイレを我慢しなくてもいいように、室内でできるようにトレーニングしてください。

トイレトレーニングの際に用意するアイテム

トイレトレーニングを行う際は、以下のものを準備しましょう。

トイレシート(トイレトレー)
大きめのものを選ぶ

トイレ用のケージまたはサークル
扉付きのものを選ぶ

おやつ
誘導・ご褒美用に準備

消臭スプレー・防臭袋
失敗した際の掃除用

トイレシートは、もったいないと感じても最初は大きめのものを用意し、徐々に小さくしていきます。トイレトレーは基本的になくても問題ありませんが、トイレの中で動き回ってシートがずれてしまう場合や、噛んでしまう場合は使用しましょう。

ケージ・サークルは自分で入れるように扉付きのものを選んでください。ご褒美として「ケージから出す」ということができないときは、おやつをあげても構いません。また、トイレ以外の場所に臭いが残っていると失敗の原因になるので、消臭・防臭グッズもあるとよいでしょう。

まとめ

犬がトイレを失敗する原因は「トイレの場所がわかっていない」というものがほとんどです。しかし、それはきちんと場所を教えられれば、問題なく覚えられるということでもあります。正しいトレーニングを繰り返して、トイレの場所を認識してもらいましょう。

そのほか、トイレと寝床の距離が近いこと、カーペットを敷いていること、失敗したときに怒ることなども原因に挙げられます。まずは今のやり方を振り返って、問題点を探してください。

トレーニングの際は「失敗させないこと」と「成功したら外に出すこと」の2点を徹底しましょう。子犬は頻繁に排泄するので、目を離さずにトイレのタイミングを察知し、成功を積み上げていくことが大切です。共働きの場合・成犬の場合・やり直しをしたい場合も、難易度は高いものの決して不可能ではありません。

トイレは正しい方法でトレーニングすれば、基本的にどんな犬種・どんな性格の子でも覚えられるものです。温かい目で見守りながら、焦らずにトレーニングしてくださいね。

ライター Haruko

執筆者

ライター
Haruko

愛犬の介護のために会社を退職し、現在はフリーランスのライター・編集者として活動中。小学生から一緒にいる17歳の柴犬(♂)が何より大事です。ペットグッズを実際に使って比較する記事をこれまでに多数執筆。その経験を生かし、リアルで新しくて本当に役立つ情報を届けることをモットーにしています。

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